『流通の次世代を語る会』からのご報告
-
コーディネーター:
田中 伸治氏
カストプラス株式会社
代表取締役
*発表内容は各社の見解を示すものではなく、『流通の次世代を語る会』の検討結果です。
(PLANET vanvan 2019年冬号(Vol.121)掲載記事より)
「未来の店舗」
発表
榊原 正幸氏
クラシエ ホームプロダクツ株式会社
「未来の店舗」ワーキンググループは「未来の生活者のための店頭プロモーションの研究」と「高齢層が楽しく生活できる快場(買場)を提案する」という2つのテーマに分かれ検討を重ねている。生活者の暮らしの中で店舗の役割は、3~5年後には「欲しいものが買える」、10年後には「自分によりフィットするものを気づかせてくれる」、25年後には「自分だけの商品が手には入ることにより様々なライフスタイルを享受できる」と劇的に変化していくと考える。そのための情報基盤も、サマリされたID-POSから生活者発信の購買情報、生活者全ての行動情報(生活者情報)へ拡大、それに伴ってプロモーションの提案も、商品の提案からライフスタイルの提案へ発展していくだろう。また、店舗は買い物だけでなく、コミュニケーションを楽しむ“快場”となっていくのではないか。今後も、未来の店舗を考える中で、卸売業、メーカーができることをさらに議論していく。
「未来の在庫管理」
発表
清水 幸昌氏
ユニリーバ・ジャパン・カスタマーマーケティング株式会社
「未来の在庫管理」ワーキンググループは「超高精度な予測に基づくムリ・ムダのないシームレスなサプライチェーン」という共通キーワードのもと、2チームで議論を進めている。未来においては流通過程のみならず、家庭内の在庫状況まで見えるようになる上に、地域ごとの特性なども加味した超高精度な需要予測が行えるようになるという仮説を立てた。その結果、無理な在庫移動やムダな生産がなくなり、返品を減らすことができるようになる。また、最適な商品をタイムリーに提案したり、使い切る前に補充するなど、生活者に対してより感動を与えられ、幸せな暮らしが送れることを予想している。ただし、未来の在庫管理を実現するには、データ共有ルールやプライバシー問題、超大容量データ収集・共有のためのインフラや超高精度な予測の仕組みなど、クリアすべき課題も多い。