株式会社プラネット

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トップメッセージ

情報インフラの機能に磨きをかけ
消費財流通のさらなる発展に
貢献してまいります
代表取締役会長 玉生 弘昌、代表取締役社長 田上 正勝

料金改定に一定の効果

 EDI通信処理データ量が堅調に伸長



 第33期は、2017年8月にハードウェアを、2018年1月にソフトウェアを刷新し、約5年に1回のタイミングで実施しているネットワーク基盤の入れ替えを完了しました。

 新しいネットワーク基盤は、2拠点で常に同じ処理を行い、いつでも切り替え可能な最新の仕組みで、障害や災害に強い耐性を持つシステムとなりました。安全性を高めながら、さらにコストを下げるという難しい課題ではありましたが、インテック社の協力により実現することができました。

 また、一時的なデータ量の増加によるEDIサービスの処理遅延障害を未然に防ぐため、年・月・週単位でのデータ量の予測管理や、その動きを可視化する取り組みを進めています。引き続き運用面の強化も図りながら、安定稼働を継続させていきます。

 第33期の業績は、データ処理量が前期比3.8%増と堅調に伸長しましたが、期初8月に実施した第9次料金改定による値下げが影響し、売上高は前期比0.8%増となりました。今回の改定により、ボリュームディスカウントが効きやすくなったユーザーにデータ利用を拡大いただけたと分析しており、業務効率化に一定の効果があったと評価しています。まだ利用が進んでいないデータ種についても、手ごろな料金設定にした効果はこれから出てくると見ており、今後の伸びに期待しています。

 利益面は、ネットワーク基盤の入れ替えにより運用原価が大幅に低減し、増益となりました。また、当期純利益は、上期に計上した関係会社株式売却益等のスポット的な上乗せ効果もあり、過去最高益となりました。


中期展望『ビジョン2025』

 各テーマの取り組み状況



➊ 企業間取引における業務効率の追求

 業界全体のオンライン化比率を向上させることが各社の業務効率化に直結するとの考えのもと、基幹EDIの新規接続と利用データ種の拡大につながる取り組みを進めています。近年、卸売業は取扱商品が増大し、メーカーは新しい分野の商品開発の積極化が進み、仕入先や販売先の裾野が広がる傾向が見られます。しかしながら、取引のボリュームや社内システム環境などによっては基幹EDIの導入になかなか踏み切れないメーカーもいまだ数多くいらっしゃるのが現状です。そのようなメーカーが“簡単にオンラインで受注して、仕入データを返せる仕組み”をコンセプトに、当社では2013年からWeb受注-仕入通信サービス「MITEOS」をご提供しています。おかげさまでMITEOSはリリースから約5年が経ちました。その間、ユーザーの皆様から「FAX発注や返品処理などで発生する仕入データもMITEOSで対応できるようにならないか」といった声を多くいただき、この度ご要望にお応えし、仕入データの単独起票機能と請求照合機能を追加して、より使い勝手のよいサービスへと進化させています。引き続き、利用卸売業を増やしながら、卸売業との合同説明会を開催するなどし、新規利用メーカーの拡大を目指してまいります。

 また、情報活用に力を入れる企業が増加していることから、「販売レポートサービス」もリニューアルしました。よりシンプルな操作で利用できるようデザインの刷新、機能の追加・強化を図り、使いたい機能から利用開始できるメニュー別の料金システムを採用しました。さらに、ユーザーの裾野を広げていく中でも、サービスレベルをしっかりと維持すべく、各種データベースサービスやバイヤーズネットなどのWebサービスの問い合わせを受け付けるコールセンターをアウトソーシングし、受付時間帯を8時から20時まで拡大、土日も対応できるようにしました(日曜は18時まで)。

 2019年10月1日から始まる消費税の軽減税率制度を見据えた対応も進めています。日用品・化粧品は対象商品が少ないと思われますが、当社を含め、ほぼ全てのユーザーがシステム対応を行う必要があります。税率別に伝票を分けて対応する仕組みを、全国化粧品日用品卸連合会(全卸連)と協力し業界の対応としてとりまとめ推奨しているほか、全卸連、(一社)全国ペットフード・用品卸商協会主催による「消費税軽減税率対応セミナー」の開催も支援しています。

 また、NTT東日本、NTT西日本の固定電話網のIP網への移行の取り組みにより、2024年1月に「INSネット ディジタル通信モード」が提供終了となり、INS回線を利用した全銀TCP/IP手順での通信が利用できなくなる見込みを受け、インターネット手順の「JX手順」を新たに利用できるようにしました。消費財流通業界のネットワークの中間点に位置する当社がこの対応を行うことで、ユーザー各社は取引先の通信手順を気にせず、自らの切り替えに専念できることも業務効率の追求の一環だと認識しています。「ベーシック系手順」から「全銀TCP/IP」への切り替えを行った経験を活かし、スムーズに移行いただけるよう案内を進めていきます。



➋ 企業間コミュニケーションの活性化

 当社サービス利用メーカー・卸売業との協働の取り組みとして、「流通の次世代を語る会」「インバウンド研究会」の開催を継続しています。2期目を迎えた「流通の次世代を語る会」は、「ユーザーに寄り添い、共に学び成長する」会として、メーカー、卸売業あわせて16社、27名に参加いただき、「未来の在庫管理」「未来の店舗」の2つのテーマでディスカッションを進めています。

 2期目を終えた「インバウンド研究会」は、参加企業を絞り込み、インバウンドの「リアルな実態」の検証をテーマに、参加メンバー自らが訪日外国人への街頭インタビューや店頭での買い物実態調査(非計画購買調査等を含む)を実施しました。

 今後も引き続き、メーカーと卸売業が日頃の立場を超えて議論しながら、研究や体験ができる場を提供する業界研究所的な役割を果たしていきたいと考えています。



➌ 流通における情報活用の推進

 訪日外国人客数は年々増加し、このペースで伸びると2020年には4,000万人を超えると言われています。訪日外国人客が買い物しやすい環境を整えることができれば、さらなるインバウンド需要の増加につながると考えます。

 そうした中、製・配・販連携協議会に協力して進めてきた商品多言語情報アプリ「Mulpi(マルピ)」のサービスが2018年3月、(一財)流通システム開発センターにより提供開始しました。「Mulpi」は、訪日外国人客が自分のスマートフォンで店頭の気になる商品のバーコードを読み取ると、当該商品のメーカー名、商品名、商品画像に加えて、商品カテゴリー名が英語、中国語(簡体字・繁体字)、韓国語のいずれかで表示されます。

 従来BtoB限定で利用されてきた、当社の商品データベースおよび運営を受託しているOTC医薬品のセルフメディケーション・データベースの運用を見直し、情報の一部を一般の生活者も利用できるよう連携させたものです。商品のバーコードをスマートフォンのアプリで読み込むだけで、約12万3千アイテムの情報を表示させることを可能としました。当社も参加する「2020年東京オリンピック・パラリンピック大会に向けた多言語対応協議会 小売プロジェクトチーム」では、小売業におけるインバウンド対応の仕組み・対応方法を検討する中で、「Mulpi」が推奨ツールとなっています。今後も1カ所のデータベースに登録すれば、あらゆる利用者に正しい情報を掲出できる仕組みづくりなど、業界を越えた取り組みに協力していきたいと考えています。

 また、情報活用の基盤確立を見据えた、データの「見える化サービス」は、当社の業界特化型インフラサービスと、関連会社True Data社の情報サービスをより有機的につなげることで、サービス化に向けた取り組みを強化しています。



➍ 社会に役立つ情報の収集と発信

 酒類・加工食品業界の商品データベース運営企業と共同でインバウンド調査レポート第4弾を制作しました。今回は、中国本土・香港・台湾・韓国のリピーターの方を中心に調査・グループディスカッション等を行いました。

 月に2回発信している生活者の意識調査「Fromプラネット」の発信は90回を超えました。こうした調査は将来、必ず役立ってくると考えており、今後も継続していく予定です。

長期的展望から見る成長戦略としての中国越境取引

 インバウンドに加え、中国との越境取引を日本製品の新しいマーケットとし、データ量を拡大させていきたいという期待はあるものの、プラネットの標準サービスを適応させるには、まだまだ時間がかかりそうです。合弁会社の上港EDIチャイナトレーディングは、中国の国営企業・上港集団(上海)が主体となり、堅実な経営を行っていますが、なかなか中国国内小売業とのEDIサービスの開発は進んでいない状態です。その要因を探る中で、中国にとって「品質が高く安全かつ価格もリーズナブル」なメイド・イン・ジャパンの製品を数多く販売するには、旧態依然とした貿易・取引・支払方法などを改め、中国国内の小売業の競争力をいかに高めるかがテーマとなることがわかってきました。それには中国側の規制緩和も含めた検討が必要となってくるため、特に日本に理解のある政府機関と協力して、新しい仕組みや流通経路等について日中共同研究を進めていくこととしました。この一環として、6月には、玉生が上海工程技術大学で学生向けに講演し、その後、客員教授に就任しています。

将来を見据えたイノベーションに挑み続け、社員の成長とともに会社を成長させていきます

 日用品・化粧品等の消費財流通は、インバウンド消費が安定的に拡大していることに加え、高付加価値商品の売上も伸びるなど、消費行動は活発になってきていると推測されます。第34期もデータ量は手堅く伸びると見ており、また情報活用に力を入れる企業の増加を受け、当社の販売データや販売レポートサービスの利用拡大も期待されることから、増収を計画しています。利益については、第33期に計上した特別利益がなくなることに加え、消費税軽減税率対応にかかる費用を計上することから、最終利益は大幅減益となる見込みですが、売上が順調に伸びている限り、増配にはこだわりたいと考えています。

 また、8月1日付で大幅な組織改正を実施しました。最も重視したのは、柔軟な発想を持った若い部門長を登用し、組織を活性化させることです。執行役員については担当部署をローテーションさせ、新部門長を側面から支援していく体制としました。数多くの新たな取り組みに挑戦している中で、期待されることの具現化や経営課題の解決等、中長期戦略を推進してまいります。

 今後も、大きく変動する事業環境に対応しながら、イノベーションに挑み続け、社員の成長とともに会社も成長させることで、さらなる業界の発展に貢献してまいります。株主の皆さまにおかれましては、引き続きご支援を賜りますようお願い申し上げます。