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物流改善に関わる
二つのガイドラインを改訂

2025年3月、当社は日用品サプライチェーン協議会と共同で、「日用品における物流標準化ガイドライン(第2版)」「事前出荷情報(ASN)及び入荷検収データの活用による納品伝票レス・検品レス運用ガイドライン(version 2.0)」を取りまとめ、公表しました。それぞれ本連載の第3回と第6回で紹介したガイドラインの改訂版です。今回は、両ガイドラインに新たに加わった内容と、そのポイントについて解説します。

メーカー・物流事業者などで検討 日用品業界への普及を目指す

 両ガイドラインの改訂について、日用品サプライチェーン協議会の「サプライチェーン物流生産性研究会」で検討を行いました。研究会には同協議会員のメーカー17社のほか、物流事業者など15社と当社も参加しています。ガイドラインは拘束力を有するものではありませんが、業界全体の物流効率化を目的としており、会員各社の積極的な取り組みに加え、広く日用品業界へ普及していくことを目指しています。

ITFシンボルは側面すべて「必須」 天面への表示も促す

 「日用品における物流標準化ガイドライン」は、主に現場レベルでの業務効率化のために、外装表示、パレットや納品伝票の標準化を図るものです。今回の改訂では、特に納品時の荷受け・格納作業を効率化する観点から、外装表示の取り決めについて見直しを行いました。
 最大の変更点は、ITFシンボル(バーコード)の表示位置です。前の版では側面のうち長面2面が必須、短面2面は任意(印刷可能な場合は表示するのが望ましい)としていましたが、今回の改訂で側面は4面すべて必須とし、新たに天面を任意としました(図表1)。
 側面の4面すべてにITFシンボルがあることで、探したり向きを変えたりする手間がなくなり、作業を効率化できます。また、今後は自動化が進んで機械が読み取ることも増えると見込まれ、その場合にも表示位置が多いことでスムーズな読み取りにつながります。
 天面については、パレットに複数の商品を組み合わせた状態で積んだままバーコードを読み取る際に、中央にあるケースは側面がすべて隠れていて読めないため、今回新たに天面への表示を任意(推奨)としました。
 なお、今回の改訂は即時の対応を求めるものではなく、商品改廃などで外装を制作・変更する際に順次対応していただくことを想定しています。

ペーパーレス化を促進する 「入荷検収データ」の運用法を整理

 続いて、「事前出荷情報(ASN)及び入荷検収データの活用による納品伝票レス・検品レス運用ガイドライン」について解説します。
 前の版では、ロジスティクスEDIのASN(出荷予定データ)を活用して納品案内書の授受や納品時検品を省略する「納品伝票レス」「検品レス」の具体的な運用法を示しました。今回の改訂では、ASNと対になる「入荷検収データ」の導入が始まるのに伴い、その運用法を新たに追加しました。
 ロジスティクスEDIのメリットの一つに「ペーパーレス化」があります。納品案内書の代わりにASNを、受領書の代わりに入荷検収データを用いることで、ペーパーレス化が一層進むことになります。
 具体的な運用法としては、納品を受けた卸売業はメーカーから送られたASNをベースにして入荷検収データを返信します(図表2)。数量差異がない場合、ASNの「納品ケース数」と同じ値を「受領ケース数」に設定します。数量差異があれば、受領した個数を入力します。ガイドラインでは、数量差異や汚破損があった場合の対応のほか、入荷検収データを送る期限の目安などについて整理しています。
 両ガイドラインはいずれも、サプライチェーン全体での物流コストの削減を目指すものです。当社はEDIの開発・提供にとどまらず、今後もこうした取り組みに参画し、業界の課題解決に貢献していきたいと考えています。

〈おわりに〉
「日用品における物流標準化ガイドライン」「事前出荷情報(ASN)及び入荷検収データの活用による納品伝票レス・検品レス運用ガイドライン」は当社のホームページからダウンロードいただけますので、ぜひご活用ください。また、ご不明な点やもっと詳しく知りたいことがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
▶ ダウンロードはこちら

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