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意識調査 Fromプラネット

2018.10.26
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Vol.96 カラオケに関する意識調査

ランチや社内の情報交換に…“歌う”以外でカラオケ店を利用する人も
~ヒトカラ、採点機能、後奏カット…進化するカラオケ、若者のルールは~

 国内1,300社超が利用する日用品流通の情報基盤を運営する株式会社プラネット (所在地:東京都港区、代表取締役社長:田上正勝)は、消費財や暮らしにまつわるトピックスをお届けする 『Fromプラネット』 の第96号として、カラオケに関する意識調査の結果をご紹介します。
バックナンバー https://www.planet-van.co.jp/news/from_planet.html

今でも若者に根強い人気

 老若男女が気軽に楽しめるカラオケ。時代とともに、歌える曲の種類が増え、システムや遊び方も進化しています。今回はカラオケについてアンケートを行い、カラオケボックス・カラオケ店に誰と一緒に行くかやカラオケ店に行く頻度、“歌う”以外のカラオケ店の利用法などについてまとめました。
 はじめにふだんどこでカラオケをしているかを聞きました。最も多かったのは、「カラオケボックス・カラオケ店」33.2%。次いで、「スナック・バー・居酒屋など」9.8%でした。その他の「ホテル・旅館など」「自宅」などは5%を下回り、多くの人が「カラオケボックス・カラオケ店」でカラオケをしていることがわかりました。
 一方で、「カラオケはしない」が61.7%と6割以上。ここから“カラオケをする”割合を逆算すると38.3%と約4割で、カラオケブームだった時代を思うと、少し寂しい結果です。
 しかし性年代別では、年代による傾向の違いが見られました。男女ともに、年代が低いほど「カラオケボックス・カラオケ店」の数値が高く、男性の20代では58.5%、女性の20代では71.3%。“カラオケをする”割合も、20代の男性では59.2%で6割近く。女性では75.0%と4人に3人の割合でした。年代が高くなるにつれて“カラオケをする”割合は減る傾向にありますが、若年層、特に20代の女性では高い人気があることがわかりました。


表1

20代・30代はひとりでカラオケをしている?

 カラオケボックス・カラオケ店を利用している人に、誰と一緒に行くかを尋ねました。最も多かったのは「友人(2〜3人)」47.6%、次いで「友人(4人以上)」29.3%、「配偶者・パートナー」27.1%の順でした。
 男女別に見ると、女性では「友人(2〜3人)」が54.4%と高く、男性の42.4%を12ポイント(以下、pt)上回りました。女性では、次いで「配偶者・パートナー」が29.8%、さらに「友人(4人以上)」と「子ども」が22.3%で同率でした。一方、男性では「友人(2〜3人)」に続く「友人(4人以上)」が34.7%と、女性より12.4pt高くなっています。男性のほうが仲間やグループで盛り上がる傾向があり、女性は少人数の仲のいい友人や親密な間柄でカラオケを楽しむ傾向が強いと考えられそうです。性年代別に見ると、女性の20代で「友人(2〜3人)」が74.2%と特に高く、反対に「友人(4人以上)」は15.5%で全性年代のうち最も低くなっていました。
 男女ともに20代・30代で高くなっていたのが「1人で」。男性では20代で21.1%、30代で37.3%、女性では20代で25.8%、30代で29.8%。“ヒトカラ(ひとりカラオケ)”を楽しむ人が若年層を中心に広がっている様子がうかがえます。一方で女性の40代〜60代では「子ども」が他の性年代に比べて高く、40代では30.0%に。これに対応するように、女性の20代・30代、さらに60代で「その他の家族・親戚」が他の年代に比べて高くなっています。母親と娘、祖母と孫、または三世代で楽しむ家族もいるのかもしれません。


表2

カラオケ店に行く頻度は以前に比べて増えた? 減った?

 カラオケボックス・カラオケ店を利用している人に、どのくらいの頻度で行くかを聞きました(表3)。最も多かったのは「半年に1回」25.6%、次いで、「2〜3か月に1回」21.1%でした。“月1回以上”の数値を合計すると、18.9%。カラオケ店に行く頻度はそれほど多くはないようです。男女別では、“月1回以上”が男性で22.5%、女性では14.3%と、男性のほうが8.2pt高くなっていました。また性年代別でも、男性の20代と30代で“月1回以上”が4割近く。男性の特に若年層で、他の性年代に比べ、カラオケ店に行く頻度が高いことがわかりました。
 さらに、カラオケ店に行く頻度が以前に比べてどうなったかを聞きました(表4)。すると、「減った」が56.8%と半数を超え、「増えた」は7.2%と少数派。男女別では、男性より女性で「減った」が高く、男性では「以前と同じくらい(変わらない)」が高くなっています。性年代別に見ると、「減った」が女性の20代で74.2%、40代で64.7%と、特に高くなっていました。前の調査の結果(表2)でも、女性には少数の親しい友人とカラオケを楽しむ傾向がうかがえましたが、社会人になったり、結婚して家庭を持ったりすることで女性は交友範囲が変化し、カラオケ店に行く頻度にも影響しているのかもしれません。


表3 表4

8割がフルコーラスを満喫、2割が採点機能を使用

 今度は、カラオケ店で歌うとき、どんな楽しみ方をしているかを調べました。最も高かったのが「フルコーラスを歌う」で、82.9%。大半の人がフルコーラスしっかり歌っていて、“歌うこと”を満喫しているようです。
 次いで、「ドリンクバーを注文する」36.3%、「料理を注文する」24.1%、「採点機能を使う」22.0%の順でした。カラオケのうまさを競うテレビ番組が人気ですが、実際にも「採点機能」を使った楽しみ方をする人が増えていることがうかがえました。
 これに続いたのが、「前奏や間奏を早送りしたり、後奏を聴かずに終了させる」10.1%。「前奏や間奏を早送りしたり、後奏を聴かずに終了させる」のは、早めに演奏を切り上げ、なるべく多くの曲を歌えるようにするテクニックであり、マナーとも言えます。
 一方で、「タンバリンなどを借りる」や「振付を踊りながら歌う」は10%以下。楽器や踊りで一緒に盛り上がるよりも、前奏・間奏や後奏はなるべく省略し、限られた時間にたくさん歌いたい、“歌うこと”を重視した傾向が強くなっているとも考えられそうです。


表5

“ドリンクバーだけで、料理は注文せず、間奏は早送り” が若者流?

 表5の結果をさらに性年代別に見ると、年代によって楽しみ方にも違いがうかがえました。「ドリンクバーを注文する」「採点機能を使う」「前奏や間奏を早送りしたり、後奏を聴かずに終了させる」などは、男女ともに20代・30代で、他の年代に比べ高くなる傾向がありました。採点機能や後奏カット機能などは、高齢層では使いこなすのが難しいかもしれません。一方で、男女ともに20代では、「料理を注文する」が他の年代に比べ大きく下回りました。料理を注文すると、それだけ料金がかかり、歌う時間にも影響します。ドリンクバーだけで料理は頼まず、前奏や間奏は早送り、後奏はカットして、なるべく安上がりにたくさん歌う、というのが最近の若い人の“カラオケのルール”なのかもしれません。
 「靴を脱いで歌う」が女性の若年層、特に20代で高くなっているのにも注目。最近は、靴を脱ぎ、自宅のリビング感覚で足を伸ばせるタイプの個室もあります。若年層の女性が、自宅のようにくつろげて、小さな子ども連れでも気兼ねなく楽しめる場としてカラオケ店を利用していることが想像されます。


表6

意外に多い? カラオケ店の“歌わない”利用法

 “歌う”以外でカラオケ店を利用したことがあるかを尋ねました。1位「友人・知人とのおしゃべり」15.3%、2位「ランチなどの飲食」8.0%、3位「楽器の練習」4.8%の順。1位以外はいずれも1ケタで、「“歌う”以外でカラオケを利用したことはない」が68.4%でした。逆算すると、“歌う”以外でカラオケ店を利用したことのある人は31.6%になります。
 職業別に見ると、「友人・知人とのおしゃべり」で利用したことがあるのは、「専業主婦(主夫)」で最も高く、27.6%。次いで、「パート・アルバイト」で高く、21.7%でした。「パート・アルバイト」では、「ランチなどの飲食」が14.5%で、他の職業に比べ最も高くなっていました。カラオケボックス・カラオケ店は、基本的に個室でプライバシーが守られ、飲食もできるので、友人やママ友とおしゃべりをしたり手軽にランチをしたりするのにはもってこいの場所と言えそうです。
 「会社役員・経営者」では、「司会やプレゼン、スピーチなどの練習」とともに「昼寝(仮眠)」が、他の職業に比べ、最も高かったことにも注目。社内では、たとえ個室でもいつ誰が訪ねてくるかわからず、カラオケボックスで仮眠を取るのかも…?
 そのほか、「自由業」では7.4%、「公務員」では6.8%が「資料作成などの仕事」に、学生では10.0%が「勉強」に利用していました。防音がしっかりしているカラオケ店の個室は、意外に仕事や勉強に集中しやすい環境なのかもしれません。


表7

“家族でカラオケ” “録音機能でひとりデュエット”…広がるカラオケの楽しみ方

《 楽しみ方、いろいろ〜カラオケのエピソード 》

【ストレス発散・気分転換!】
● ストレス発散は必ずカラオケに行きます。ひとりカラオケに行ったり、友達と6時間ほど歌ったり…大声で歌って騒いで、いつもスッキリします。(女性・20代)
● 子どもが幼稚園児だった頃は、友達親子とランチも兼ねてパーティープランを利用しました。メニューが意外に安くて、カラオケもできて、子どもたちも遊べてよかったです。(女性・30代)
【世代間コミュニケーション・人間観察】
● 10歳年上の女性の友人とカラオケに行き、昭和世代の選曲がとても楽しかったです。(女性・40代)
● 大きくなった息子たちとはなかなか一緒に行動することがなくなりましたが、「カラオケに行く?」と誘うと、なぜかつきあってくれるので楽しいです。(女性・50代)
● ふだん温厚で優しい上司が、歌は洋楽のロック。後輩は知的なイメージだったが、最新のアイドルソングを歌い、見たことのない笑顔を見せた。上司や後輩の変貌する姿を見て驚いた。(男性・30代)
【 “ヒトカラ”にハマってます 】
● 初めて一人で行ってから、選曲に気を遣わなくていいし、自分の好きな歌を歌えてストレス発散になるし、ひとりカラオケにハマっています。もう他人とは行けない。(女性・40代)
● 一人でもストレス発散に3時間ほど行きます。他人の歌を聴かないでいいので歌いまくります。(女性・50代)
【採点機能、録音機能で楽しむ】
● 採点機能を使い、いちばん点数が低い人が罰ゲームをする遊びをしています。(女性・40代)
● 録音機能のある店で、自分で別パートを歌い、“ひとりデュエット”を楽しんでいます。(女性・40代)
【 “歌う”以外の活用法 】
● カラオケボックスで、モニターも全部消し、ドリンクを準備して、楽器の練習をする。(女性・50代)
● カラオケボックスをミーティングルームとして使う。もちろん歌うことはしない。(男性・50代)
● 仕事がかけもちのときの空き時間、昼寝によく使っていました。(女性・50代)
● 友人数名と、会社の同僚の話など聞かれてはまずい話をするときに利用します。会社の機密事情などを会話から聞かれてはまずいときにも便利です。(女性・60代)

 最後に、カラオケにまつわるエピソードを教えてもらいました。多かったのはやはり、“ストレス発散にはカラオケがいちばん”という声。気の合う仲間やママ友たちと盛り上がるのはもちろん、好きな歌を好きだけ歌える“ヒトカラ”は特にスッキリできるようです。採点機能を使った「罰ゲーム」、録音機能を使った「ひとりデュエット」など、それぞれの遊び方で楽しんでいる様子もうかがえました。中には、カラオケ店を“歌う”以外に活用している人のエピソードも。楽器の練習やビジネスユースのほか、「聞かれてはまずい話をするときに利用します」と、思いがけない用途に使われていることもわかりました。
 思いきり歌ってスッキリできるカラオケはやはり娯楽の王道。進化した機能を駆使したり、家族や世代間コミュニケーションに役立てたりと、楽しみ方はこれからも広がっていきそうです。


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