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意識調査 Fromプラネット

2025.06.25

日用雑貨・化粧品

Vol.233 マスクに関する意識調査

新型コロナ5類移行で、マスク着用はどう変化?
~ 6割が着用を継続、どこで着ける? 周囲に着けてほしい場面は? ~

 国内1,500社超が利用する日用品流通の情報基盤を運営する株式会社プラネット (所在地:東京都港区、代表取締役社長:坂田政一) は消費財や暮らしにまつわるトピックスをお届けする 『Fromプラネット』 の第233号として、マスクに関する意識調査(対象4,000人)の結果をご紹介します。未掲載のデータ提供や当社担当者が解説を差し上げることもできますので、お気軽にお問い合わせください。
※回答率(%)は小数点第2位以下を四捨五入し同第1位までを表示しています。そのため、内訳の合計と表示値が異なる場合があります。
バックナンバー https://www.planet-van.co.jp/news/from_planet.html

依然として6割が “マスク着用派”、マスクを着けるのは “感染予防のため”

 2023年5月に新型コロナウィルスが第5類感染症に移行されてから2年余り。街中もマスク姿であふれていたのが、素顔の人も増えています。そこで今回は、コロナ5類移行後のマスク着用について色々とたずねてみました。(2017年2月公表のVol.55、2020年8月公表のVol.139、2021年4月公表のVol.155、2022年3月公表のVol.176でも同テーマの調査を実施)
 基本的なこととして現在、外出の際にマスクを着用するかをたずねた結果が図表1です。「必ず着用」が34.0%、「着用することが多い」26.9%と、程度の差はあれ約6割の人がマスク着用の生活を続けていると回答。片や、「新型コロナ時は着用していたが、今はしない」と、5類移行を機にマスク生活に別れを告げた人が約2割、「新型コロナまん延前から着用しない」は4.9%でした。


表1

 依然としてマスク派が多数派であるなか、1年前と比べたマスク着用頻度の変化をたずねたところ(図表2)、51.6%と半数強が「同程度」と回答。また6.3%が「増えた」(「とても」+「やや」)としており、マスクを着用しない人が周囲で増えたため自衛の意味で着用頻度を上げた、ということでしょうか。年代別では(図表非掲示)、「1年前からしていない」は男性30~50代、女性20代で17~20%台と全体に比べて高位でしたが、70代以上では男性6.8%、女性5.1%と、男女とも全年代で最低に。なお、「増えた」が19.1%と最も高かったのは意外(?)なことに20代男性でした。


表2

 外出時にマスクを着用する理由としては(図表3)、「新型コロナなどウイルス感染予防のため」と「風邪やインフルエンザ予防のため」が67%台に。これに「その他の感染症や病気、アレルギーの予防・対策のため」43.6%、「花粉症対策のため」37.7%が続きました。各種感染予防やアレルギー対策としてマスク着用を継続する人は依然として多いようです。5位は「咳やくしゃみの症状があるときに周囲への配慮のため」34.8%がランクイン。特にコロナ禍以降は周囲の人の咳やくしゃみに敏感な風潮が感じられることも背景にありそうです。男女別では傾向に大きな差はありませんが、女性で「風邪やインフルエンザ予防のため」が僅差ながらトップになったのは、意識の変化の現れかもしれません。またランク外では、「メイクや髭のケアの手間を省くため」「口元を隠すため」「外すのが恥ずかしいから」が女性で各21.4%、15.6%、10.7%と比較的高値だったのは納得できますね。


表3

病院、電車、スーパーではマスク!

 次に、外出時にマスクを着用する場面については(図表4)、83.8%と最も多くの人が挙げたのが「病院、クリニック」。マスク着用を義務付けている施設が多いことを反映してか、通院頻度が高まるシニア層である女性60代と男女70代以上で9割超に。これに、電車やバスなど「公共交通機関の車内」61.7%、スーパーなどの「商業施設内」59.7%、「屋外で混雑している場所」53.9%が続きました。不特定多数の人が多く集まる屋内や、屋外でも人が多い場所では半数以上がマスクを着けているようです。また同じ屋内でも、映画館など「屋内の娯楽施設」が「商業施設」より20ポイント以上低いのは、作品鑑賞中はしゃべることがないので不要、と考えてのことでしょうか。各項目で全般に女性を中心としたシニア層が高値を示すなか、男性30代の50.8%を筆頭に50代以下で4割超となったのが「職場、学校」というのは納得ですね。


表4

 人にマスクを着用してほしい状況・場所では(図表5)、「風邪をひいている人」「病院やクリニックへの来院者」のほか、風邪や花粉症以外で「くしゃみや咳が出る人」「体調が悪い人」が過半数というのは納得です。性別でみると、図表4と同様に男性は周囲のマスク着用に対して寛容な傾向がある一方で、女性は50代以上を中心にマスク着用に対し依然として厳しい目を光らせているようです。


表5

マスク購入時の重視点は5年で様変わり

 マスク購入時に何を重視するのか、マスク不足が叫ばれていた時期である2020年8月調査の結果と比較しながらその変化をみてみましょう(図表6)。トップは2020年も今回も「価格」で、比率もともに55%台となりました。消耗品であるうえ毎日使う人も少なくないことから、価格は重視せざるを得ない面はありますね。片や、2020年2位の「花粉やウイルス、粉塵の除去性能」と3位の「息苦しくない」は、今回は9位と7位に順位を下げたうえ、比率も各28.8・14.0ポイント低下しています。5年前に比べ感染の危険性が緩まったことや、コロナの5類移行で終日マスクを着用することが減ったことなどが背景にありそうです。一方、「耳が痛くならない」は6位→3位に順位を上げたうえ、比率も3ポイント上昇しています。マスクを長時間着用するほうが耳の痛さは気になりそうなものですが、マスクが店頭に十分にストックされ商品のバリエーションが豊富になった現在では、より快適性を求める人が増えているのかもしれません。前回調査では選択肢にありませんが、「素材」「形状」「色」が10位内に入っているのも、同様の理由によるものかもしれませんね。


表6

女性は慎重に、男性はスッパリとマスクを外す?

 図表2で1年前と比べてマスクの使用頻度が「やや減った」「とても減った」と、「1年前からマスクは着用していない」と回答した人に、マスクをしなくなった、あるいは着用頻度が減った時期をたずねてみたところ(図表7)、「1年くらい前から」と「コロナ5類移行(2023年5月)~1年前」がそれぞれ41.1%・39.4%と拮抗。5類移行を契機にマスク生活と決別した人、周囲の様子をうかがいながらマスクを外した人、徐々に着用を減らしていった人――いろんなケースが考えられますが、両者がほぼ同数というのは興味深いところですね。また、コロナがまん延していた時期とコロナ禍前からマスクをしていなかった人も各約1割いました。
 性年代別でみると、「新型コロナのまん延以前から」が男女とも20代が各30.6%・24.3%で最多となり、年代が上がるほどにその比率は低下する傾向がみられます。片や、「1年くらい前から」は逆に年代が上がるほどに上昇する傾向があり、男女とも70代以上では半数以上となりました。また、「1年くらい前から」と「コロナ5類移行~1年前」の比率を各年代で比較してみると、女性は全年代で前者のほうが高いですが、男性では30代~60代では後者のほうが高率に。働き盛りの男性はマスクを外せる日を待ちわびていたのかもしれませんね。


表7

シニア女性の半数は “今後も積極着用” 意向

 ここまでマスク着用の“過去”と“現在”を探ってきましたが、“未来”もみてみましょう。今後のマスク着用の意向についてたずねてみたところ(図表8)、「外出時は積極的に着用」が38.4%、「季節や状況によって、自分の判断で着用」36.6%と、ほぼ同率という結果になりました。程度の差はあれ、3分の2の人が今後もマスク着用を継続する意向のようです。また、「積極的に着用しないが、周囲に着用する人が多ければ着用」と、周囲の状況次第で着用する人も10.7%にのぼり、「季節や状況に関係なく着用したくない」(以下、「着用したくない」)と、かたくなな態度を示すのは14.3%となりました。性年代別にみると、「着用したくない」は男性40代以下と女性20代で2割を超えていますが女性50代以上では1割以下どまりに。対極の「外出時は積極的に着用」は男性全年代と女性40代以下は3割台ですが、女性50代以上では4割台、同70代以上では49.8%とほぼ半数と、マスク着用意向が高いようです。


表8

マスクを着け続ける? 外すには “きっかけ” も必要?

 最後に、コロナ5類移行後のマスク着用の変化や、マスクについて感じることなどを自由に書いてもらいました。現在はマスク着用は個人の判断に委ねられているので、様々な対応をしていることは想像していましたが、「若者はマスクをしない」「シニア層はマスクをし続ける」と、ひとくくりに論じることができないことがわかります。また、マスクの必要性を感じるシーンに遭遇した経験をした人もいました。コロナ禍前後でのマスク着用についての意識変化などを感じた人も少なくないでしょう。これからのマスクとの付き合いには、他者への配慮と寛容さが必要かもしれませんね。

《 新型コロナ5類移行後のマスク着用の変化、マスクに関して感じることなど 》

【マスク着用を継続】
● 5類だとしても、せっかく身についたいい習慣だと思ってマスクはして外出しています。(女性・20代)
● 風邪をひいていてもマスクを着けない人が増えてきたので自衛のため電車など逃げ場のない人混みでは必ず着用したいと思っている。また、マスク期間に始めた歯列矯正が終わるまでは、おそらくマスクを外したいとは思わない。(女性・30代)
● コロナが終息したとしても油断出来ないため一生マスクと共に生きるものと覚悟を決めている。(男性・40代)
● コロナ前に気にしなかったことが気になるようになり外せないと感じている。口臭や会話するときの飛沫などを気にするようになった。
(男性・50代)
【マスクなしの生活に移行】
● マスクをすると化粧が落ちて嫌だったのではずせて嬉しい。子どもにもさせなきゃいけない雰囲気でそれも嫌だったが、今は過ごしやすい。
(女性・30代)
● マスクを強制されるのが本当に苦痛だしイライラしたので、コロナ5類になってから一切つける気がなくなった。(女性・40代)
● マスク無しで会話した方が表情もわかるし、変化にも気づきやすい。声も聞き取りやすいし、マスクがない生活が本当は理想だと思う。
(女性・40代)
● マスクをしていた時は顔が肌荒れして嫌だったが、今は肌荒れも治り快適である。(男性・50代)
【マスクの必要性を感じたことも】
● コロナ禍は終息したものの、油断して再度の感染をしました。普段は健康体なのに症状が強く出る体質なので、マスクでの予防は必要と感じている。(女性・50代)
● 咳をしている人に限ってマスクをしていないのが気になる。ずっとマスクをつけているのに、5類移行後にコロナに2回罹患し、マスクをしている自分がバカをみたような気分にもなった。移行前に罹患しなかったことからすると、ほぼ全ての人がマスクをしていたことの効果は大きかったと考える。(男性・50代)
【意識面などの変化も】
● マスクは本当にしない派だったのですが、コロナ禍で慣れて、化粧しないで出かけるのに便利だなと思う。ちょっとそこのスーパーまでというときは、マスクをつけて出かけることがすごく増えた。(女性・40代)
● 正直言うとマスクするのは面倒くさいが、母の介護関係のケアマネさんやヘルパーさんの皆さんが着けているので仕方なく着けている。付き添いで病院や薬局に行くときも着けていないと中に入らせてもらえない。コロナ前はそんなことなかったのに、面倒くさい時代になったと思う。
(女性・50代)
● コロナでマスク生活に慣れてしまったせいか、マスクをしていないと空気中の埃や些細な臭いを感じるようになってしまい、今でも外出時にはほとんどマスクをつけている。(女性・50代)
● コロナ前に比べてマスクのつけ心地は良くなっている気がする。マスクをして歩いていた時期が長かったためか街中を歩いている時にマスクをしてない顔を見られるのが少し恥ずかしく感じる時が増えた。(男性・20代)
● 以前は、マスクは表情を隠すので失礼なものと思っていたが、最近はマスクをしないと失礼に思うようになってきた。(男性・70代以上)

調査機関:株式会社プラネットによる調査企画をもとに、株式会社ネオマーケティングにて「マスク」に関する意識調査を実施。
期間:2025年4月28日~30日、インターネットで4,000人から回答を得ています。


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