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会長の読書

反日種族主義 (李栄薫著、文藝春秋)

 勇気ある著作である。「韓国は嘘をつく国民/嘘をつく政治/嘘つきの学問/嘘の裁判」だと言い切っている。
 しっかり勉強した人であれば、今日の韓国人が言っていることの多くが捏造あるいは嘘であることは分かっているものと思うが、それを指摘すると、韓国人たちが糾弾し、時には石を投げたり、職を辞めさせられたりすることがたびたび起こっている。韓国人の学者である著者も、そうした危険があるにもかかわらず、あえて声を上げている。
 李栄薫が、韓国で教育を受けた歴史に疑問を持ったのは、白頭山に登った時からだということである。白頭山(標高2,744m)は朝鮮民族の発祥地で、山頂にある天池は聖地とされているが、白頭山は15世紀まで噴火をしていた火山で、天池は噴火口であった。著者は、そんなところに祖先が舞い降りてきたというのは、どうもおかしいと考え、それ以降、白頭山について調べたところ、白頭山が民族の発祥の地だということは、20世紀になってから捏造されたものであることに気付いたと書いている。
 北朝鮮でも、白頭山は聖地で、金日成が生まれた地とされているが、金日成が生まれたのはハバロフスクであることは知られていることである。また、抗日パルチザンの拠点だったとし、小屋が建てられ聖地だとされているが、これも後からつくられた話である。
 近年、取り沙汰されている徴用工訴訟問題について、韓国の裁判所で日本企業に支払いが命じられたが、工員が居住していた寮の寮長が企業から支給された給料を預かり、それが工員の手に渡っていないという事実を認めながら、日本企業に支払いを命じているという奇妙な内容となっていることを氏は指摘している。
 韓国で「アリラン」という小説がベストセラーになり、アリラン文学館が建てられているということである。何しろ荒唐無稽な小説で、駐在所の日本人巡査が住民を銃殺するなどありえないことを、日本人がやったこととして書き連ねている。極めつけは、戦時中に千島に飛行場を建設するために、朝鮮人労働者千人を連れて行き、飛行場完成後に千人の労働者を防空壕に閉じ込めて殺害したという事実無根のことを見てきたような文章で書かれていることを紹介している。何と、この「アリラン」は350万部も売れているということである。
 日本を貶めるようなことを叫べば受けるという民族性は如何ともし難いようだ。なにしろ、教科書からマスコミまでこうした民族性に迎合する内容に改ざんされ、いつの間にかそれが真実のように広まってしまっている。これでは、日本との距離がますます遠ざかってしまう。
 著者・李栄薫は、歴史を偽ってはいけないという思いで、本書を書いたということであるが、このような学者が韓国にいるということは一縷の望みを与えてくれる。

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