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会長の読書

挑発的ニッポン革命論 (モーリー・ロバートソン著、集英社)

 近頃、モーリー・ロバートソンはテレビに登場しているので、ご存知の方も多いと思う。

 非常に地頭が良い人のようで、東大に入学したものの3か月で辞めてハーバード大学に転校したということである。彼は、「答えのある質問をする」のが東大で、「答えのない質問をする」のがハーバード大学なので、東大よりハーバート大学に行くことにしたのだそうだ。確かに、東大は問題の答えをたくさん記憶している人が集まるところに見える。

 本書には、アメリカの大統領選について、日本では報じられていないこと、日本人が理解していないようなことが多く書かれている。トランプ大統領の登場に際し、あらゆる権謀術数が繰り広げられたであろうことは、想像に難くないのだが、共産主義と民主党をたたくためには何でもするという極右政治団体「ジョン・パーチ協会」のメンバーでありマフィア弁護士と言われているロイ・コーンを雇って戦ったトランプの法廷闘争の逸話が紹介されている。また、プロレス好きのトランプは、人気プロレス団体WWEのプロレスにたびたび登場し、会場に現金をばらまくというプロレスファンを熱狂させるパフォーマンスを繰り返していること、そして、大統領になると、プロレス団体WWEのCEOの妻を中小企業庁長官に指名したことなど、多く紹介されている。

 本の後半は日本改革論になる。

 まず、日本のリベラル派のおとぎ話のような恒久平和論を批判している。世界の現実はそんなに甘くないというわけだ。中東問題に端を発した世界的なテロ、東アジアでは中国の海洋進出、朝鮮半島で起こっていることの現実をしっかり直視し、日本は現実的な施策を展開するべきだと説いている。

 また、テレビではまったく政治のことを分かっていないタレントが無責任に感情論を述べ、それが拡散されている。市民感覚、主婦目線などという、ある意味、無敵の弱者に自分を置いて、無責任にリーダーをたたくことが、恒常的に許されていることも異常なことだと批判している。

 本の終りの方では、欧米のニュースの日本語訳が稚拙で、日本人には深い部分が伝わっていないこと、また、逆に日本の事象についての各国メディアの扱いもひどく、将来に禍根を残すような情報の伝わり方をしていることを嘆いている。日本語も英語もネイティブに読み書きできるモーリー・ロバートソンならではの認識である。このままだと、相変わらず日本は変な国だと思われ続けてしまうだろう。

 それにしても、モーリー・ロバートソンは、これだけの見識を持っているのだから、バラエティー番組などに出ないで、もっとしっかりしたトーク番組に出るべきではないかと思う。

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