5.決済

決済には、(1)売掛買掛処理、(2)決済内容通知、(3)決済内容の調整、(4)代金支払が含まれる。

(1) 売掛買掛処理(日次処理)
卸売業の売掛内容は通常日次で処理され、仕入データ,あるいは、仕入伝票によって小売業に連絡される。仕入条件,リベートの一部もここに反映されることもある。
ここで連絡される内容は、以下のようになる。(ただし、卸売業によって連絡する範囲はこのうちの一部である場合もある)


  売上計上
    卸売業が、納品または直送などによって、商品の売上を計上する。通常小売業はこの内容をもとに、納品時の訂正内容を加味して買掛計上を行なっている。
  訂正連絡
    卸売業が小売業からの連絡をもとに売上を訂正(受領訂正)した場合に連絡される。この連絡は通常卸売業の納品伝票によって行われる。訂正には以下の理由が考えられる。 ・小売業の入荷検収時に訂正があった場合。(同時訂正) ・入荷処理後、内容に訂正があった場合。(事後訂正) ただし、一部の小売業では自社店入れ分は、入荷検収結果と仕入条件により算定して買掛計上し、結果を卸売業に連絡している場合もある。

(2) 決済内容通知
決済内容の通知には、卸売業から請求内容を通知する場合と小売業から支払内容を通知する場合の2つのパターンがある。
この決済内容通知の中には小売業販促条件の内容も控除として入る場合もある。(卸売業によっては請求内容をFD,MTなどの媒体で小売業に送付している場合もある。)

  請求内容通知
    卸売業から請求内容を通知し、小売業側で自社の買掛と照合する場合。
  支払内容通知
    小売業から卸売業への支払内容を通知し、卸売業側で自社の売掛と照合する場合。

(3) 決済内容の調整 自社の買掛内容あるいは売掛内容と、連絡を受けた内容との間に差異があった場合には、担当者同士で内容の調整が行われ決済金額を確定させる。調整には通常、電話やFAXが使われている。
(4) 代金支払
確定した決済金額が卸売業に支払われる。支払方法は現金振込が多いが、手形が使われる場合もある。またファームバンキングを導入している企業であれば、振り込まれた金額は画面で確認することができる。