1.商談

商談は、(1)商品の名称,商品コード,価格などの卸売業から小売業への連絡(商品案内)、(2)小売業が商品を購入(仕入)する時点の、価格条件などの卸売業から小売業への案内(仕入条件案内)、(3)小売業で行う販売促進活動の条件を、小売業とメーカー間,小売業と卸売業間で決める交渉(販促条件交渉)がある。

(1) 商品案内
  基本契約,個別契約の締結後、売買すべき商品の情報が提示される。この商品情報のなかには商品名,商品分類,商品特性,商品コード(JANコード,ITFコードなど),卸価格,希望小売価格などが含まれる。
用途としては商談,物流関連情報,プラノグラム情報などとして活用される。
商品情報は、卸売業の営業担当者からパンフレットによって提示されるか、場合によってはフロッピーディスク(以下FD),磁気テープ(以下MT)などの媒体によって提供される。
通常の場合、小売業の仕入条件はこの商品情報の卸価格に特別な販売促進があればそれを加味した価格で取引される。
また、継続する取引の中で新商品が発売される時点や、商品がリニューアルされる場合にも同様に商品情報が提供される(新商品情報,リニューアル商品情報)。
さらに、卸売業が商品の販売を中止(廃番)する場合は、通常卸売業の営業担当者により廃番情報が連絡される(廃番商品情報)。
(2) 小売業への仕入条件案内
  卸売業から商品を仕入れる場合に、期間や地域を区切って特別の条件が設定される場合がある。
この条件は、通常卸売業営業担当者から口頭で案内される。
(3) 販促条件交渉
  卸売業から商品を仕入れる場合以外にも、卸売業から小売業に販売される際の特売企画、小売業での山積企画などの販促活動に関しての条件が設定される場合がある。これらの条件は、小売業への販売促進、あるいは消費者への販売促進の目的で設定される。
通常、商談と呼ばれるのはこの条件の設定のための小売業,メーカー,卸売業の担当者による打ち合わせを指す。場合によっては小売業とメーカーの担当者のみで打ち合わせが行われ、卸売業担当者には事後の連絡で済まされることや、小売業と卸売業の担当者のみで打ち合わせが行われることもある。
この商談の過程には、卸売業担当者や小売業担当者の条件見積依頼を、メーカー担当者が見積を提示する場合もあれば、メーカー側から条件を提案される場合もある。一度で条件が確定せず、何回かの条件のやりとりが行われる場合もある。