第2章 小売業・卸売業間EDIに必要な情報の流れ

 小売業と卸売業の間における取引の現状を踏まえて、EDIに必要な流れを機能別に考 えると、それぞれの段階において自社にふさわしいと思われる様々な方法が採られている のが解る。
これらを整理して基本的な流れにまとめてみると、ある数パターンの流れが浮き彫りにな ってきた。データ交換はあくまでも取引の手段でありお互いのやり取りが合理的であるこ とが望ましいはずである。

  そこで現時点において合理的と考えられる数パターンをモデル化し「必要な情報の流れ」 として図にまとめあげた。
この図を参考に、利用者は各段階毎に自社に合ったパターンを選択利用することで、自社 のEDIシステムが構築出来る。

  図では取引の各段階、すなわち、
  1. 商談
    (1)商品案内
    (2)小売業への見積条件案内
    (3)小売業への特売企画条件の交渉
  2. リテールサポート
    (1)棚割サポート,
    (2)データベースサービス
  3. 受発注
    (1)現状の受発注,
    (2)納入提案方式,
    (3)在庫確認してからの発注
  4. 物流
    (1)卸売業からの納品案内から小売業の仕入計上
    (2)小売業のTC/DCへの納品
  5. 決済
    (1)卸売業側が請求内容を通知するパターン
    (2)小売業側が支払内容を通知するパターン
    (3)卸売業の請求に対し、小売業が支払内容を通知するパターン
  6. その他例外事項
    (1)小売業が返品内容を通知する
    (2)卸売業が(商品を引き取り後)返品内容を通知する
の6段階に分類して、小売業・卸売業のマスタや処理機能を流れの方向を示すデータ種 でつなぎ、「EDIに必要な情報の流れ」を表現した。

 なお、次のページ以降の図の記号に関しては以下のような意味を持たせてある。

凡例

小売業から卸売業・業界データベースへのデータ伝送または業界データベースから卸売業・メーカーへのデータ伝送
卸売業・メーカーから小売業・業界データベースへのデータ伝送または業界データベースから小売業へのデータ伝送
小売業と卸売業相互のデータ伝送
メーカーからのデータ伝送
商品の流れ