1-3 物流の集約化

 第1部でのシミュレーションの結果からも、また、サプライチェーンの効率化の観点からも、現状の物流諸問題を改善するひとつとして物流の集約化があげられる。

物流の集約化を行うためには理想的には地域の拠点となり得る物流センターが必要であるが、この物流センターはその運営を単一の卸売業が行うか、複数の卸売業が共同で行うかは別として、どの卸売業、小売業も利用できる物流プラットフォームの役割を果たすことが前提になる。そこで、この物流センター(以下、集約物流センターと呼ぶ)を想定した時の基本的な考え方を以下のとおり整理した。
(1)集約物流センター運営の可能性
 集約物流センターを考える時、先ず考えられることは本当にその必要性、また、実現の可能性はあるのだろうかが重要な問題となる。(図表2-1)誰もが利用可能な共通のプラットフォームとしての集約物流センターを想定すると、当然ながら現状よりも一層大規模化をはかる必要性があるし、規模だけではなく、高機能・高精度・高生産性、そしてそれらをローコストで実現できるものでなければならないことはいうまでもない。

 一方商流面から見た場合物流が集約化されることで、小売業にとっては取引先の選択の自由をそこねるものであってはならないことも大変重要である。

図表2-1 集約物流センターについて考える

そこで、集約物流センターの可能性について次のようないくつかの視点から検討を加えてみた。