株式会社プラネット

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トップメッセージ


 令和6年能登半島地震で被災されました皆様に心よりお見舞い申しあげます。被災地の皆様のご無事と一日も早い復旧、そして平穏な生活に戻られますことを心よりお祈りいたします。
利用企業数、接続数ともに増加するも
厳しい環境の中でデータ量はほぼ横ばい
 モノ・サービス・インフラの継続的な値上げが続き、消費者の生活防衛意識は依然高い状態にあります。個人消費は節約志向の高まりから買い控えも見られ、当社にとっても厳しい環境が続いています。
 こうした環境下にあって当上期は、主力のEDI事業で利用企業数、接続数ともに増加したものの、個人消費の伸び悩みや小売業のプライベートブランド商品の拡充が続いていることも影響し、データ量は前年同期並、売上もほぼ横ばいの微増、計画値に対しては未達となりました。未達の要因は、立ち上がりを見込んでいたPOSデータクレンジングサービスの活動が計画より遅れたことにあります。ありがたいことに当初想定していたターゲットより広い層から反響があり、より多くの皆様にご利用いただきやすい機能や料金にするなどの調整に時間を要しているのが遅延の理由であり、当下期より売上計上できるよう鋭意努力していきます。営業利益については、新サービスの実現可能性を図るための調査・検証を慎重に進めた結果、当上期に予定していた費用が未費消となったため、計画に対して上振れ、増益着地でした。
眼前に迫る2024年物流問題
持続可能な物流環境の実現を目指して
 業界全体の課題である2024年物流問題が目の前に迫っている中で、持続可能な物流環境を実現する活動を推し進めたいとの想いから、「ロジスティクスEDI」の取り組みに注力しています。この問題における目下の大きな課題は、ドライバーの待機時間短縮と人材不足を補う業務効率化です。現状、卸売業の物流拠点に商品が届く際、どの商品がどのトラックにどれくらい積載されているかは、トラックが到着してからでしか分からないケースが多いと聞いています。これが、荷下ろしや検品等の荷受け業務に時間がかかり、ドライバーの待機時間が延伸する一因となっています。
 そこで、メーカーが卸売業に対し、納品日や納品商品、数量などの物流情報・商品情報を事前出荷情報(ASNデータ)として通知することにより、物流拠点では、あらかじめ倉庫内や荷捌き場のスペースや適正人員を確保するなど、効率的な対応が可能になります。さらに、データ共有で紙の伝票が不要となり、検品作業も不要となります。実証実験では、約4割の待機時間を削減できており、ドライバーの待機時間及び荷受け業務の時間短縮、伝票レスを実現するサービスとして、今後、物流業界全体の人手不足対策に貢献するものと見込んでいます。
 現在、初期ユーザーとデータ活用の運用検証等を実施しています。この中で課題を洗い出し、課題解決に向けての調整を施しながら、遍くすべてのユーザーが使えるよう汎用化を進め、全体最適化の一助を担っていきたいと考えています。
6月には販売レポートサービスに新機能を追加
利用増に向け、より活用しやすいサービスに
 また、当社の主力サービスの1つ、販売レポートサービスのバージョンアップも予定しています。当サービスは、当社が販売データを代行受信し、そのデータに取引先データベースの情報を自動で付加し、集計・加工したものをWebで提供するもので、卸売業の出荷元や販売店のマスタ整備もする必要がなく、メンテナンス作業が軽減できるサービスです。これまでの機能では、ブランド別、卸本部別・チェーン別、期間別など定型の集計データのダウンロードしかできませんでしたが、今回の機能追加により、ブランド別×卸本部別など項目を掛け合わせたクロス集計が可能となります。今後はユーザー独自の切り口で抽出したデータをExcelファイルでダウンロードし、活用いただけるようになるため、さらなる利便性向上が図られるものと考えています。新機能追加により様々な角度からデータのクロス分析・解析が可能になることから、既存ユーザーに利用の幅を広げていただくだけでなく、新規ユーザーの獲得にも寄与するものと考えています。
企業価値向上の実現において
「人」こそ、最も重要な源泉
 激しい環境変化の中で企業価値、組織の力を最大化するには、自らの視野・視点・視座を高める意識を持ち、成長する人材が集まった組織になることが必要と考えます。業務知識は当然のこととして、多様な経験を通じて新たな価値観、知見を個々人が得られる機会を提供する制度整備を通じて、人的資本経営への取り組みを強化してまいります。
 具体的には、①社内で複数部門の仕事を行う「社内兼業」、②自ら新しいことに挑戦する「副業」、③他社への出向あるいは他社からの出向を受け入れる「在籍型出向」、④国内の大学院をはじめとする「留学」の4つを中期的に制度化し、ぜひ自身を研鑽する機会として活用してもらいたいとの考えです。早速、この4月から「社内兼業」を導入してまいります。
 もう1点、取り巻く事業環境が大きく変化を遂げようとしている今、当社自らが成長し、業界貢献できる状況を継続するためには、様々な動きを機敏に捉えて瞬時に対応できるよう、組織の機動性と柔軟性を上げることが必要です。そこで、今期(第39期)を、プラネット「シンカ」スタートの年とし、さらに一歩推し進め、全社戦略の実現に向け、4月1日より組織と組織運用を変更します。具体的には、これまでの2本部・8部署・1室体制から3ユニット・1室という大括りかつ階層の少ない組織とし、様々な変化に柔軟に組織編制できる「チーム」単位で業務を遂行する体制にしていきます。

株主・投資家の皆様へのメッセージ
 厳しい事業環境が続く中でも、下期もやるべきことをしっかりやり遂げ、立ち上げ期にある新サービスの成果も取り込みながら、通期業績は期初計画通りの着地を目指していく所存です。
 プラネットの大きな使命である業界貢献を確実に担っていくためにも、まずは自身が中長期にわたり健全な経営を続けることが必要であり、従来、継続してきた安定性と収益性を重視した経営を変えることなく、その持続性をしっかり担保しながら、情報インフラ企業として業界ひいては世の中のためになることを常に追い求める姿勢で今後も活動してまいります。
 そうした視点から、当社では売上成長率、営業利益率、配当性向の3つを重要な経営指標と位置付けています。また資本コストや株価を意識した経営の実現に向け、自社の資本コストや資本収益性についての把握・現状分析を進めています。現状評価・方針・具体的な取り組み等に関する開示については、計画策定が完了した時点で、開示方法を含め改めて決定する予定です。
 今後も、中立な立場だからこそ実現可能な新サービスを創出し、先々に向けての事業投資に力を入れながら、安定成長を目指します。これを前提とする安定株価・安定配当の継続に加え、長期的には安定的な株価上昇の実績を重ね、「プラネットの株主でよかった」と思っていただけるような事業活動をしてまいります。ぜひ中長期的な視点でご支援していただきたく、引き続き何卒よろしくお願い申しあげます。